子供の連れ去りー裁判所から婚姻費用分担・養育費請求が来たらどうするか

期日通知書とは

子供を連れ去りされてから
裁判所から婚姻費用分担請求書についての
期日通知書が来る場合があります。

期日通知書とは
裁判所にて調停を行う日時が記載された書類になります。

こんな内容の書類が入っていたら
相手が裁判所に婚姻費用の取り決めを
行うために調整の申立をしたことになります。

調停申立書とは

調停の申立書になります。
申立てを行った人、申立ての趣旨、理由などが記載されています。



申立代理人は相手の弁護士になります。
弁護士を使わずに申立した場合には、申立人の名前が記載されています。
申立人の住所の記載がありますので
連れ去り後、どこに住んでいるのかこれで分かると思います。

2P目に申立ての趣旨が記載されていますので、そこに金額が提示されていれば
その金額をベースとした話し合いになります。
相当額となっている場合には
双方の収入額に応じて調停で話し合って決めることになります。

婚姻費用とは

離婚していれば養育費となります。
離婚前の別居状態の場合は婚姻関係にあるので
通常の生活を維持するために必要な生活費のことです
あなたの年収、相手の収入に応じて分担して支払う義務がある費用です。

養育費、婚姻費用はあなたの収入、相手の収入
養育する子供の人数、年齢によって変わってきます。
基準となる金額については、裁判所が発行している
「標準算定方式・算定表」によります。

参考 標準算定方式・算定表裁判所 標準算定方式・算定表

通知を無視出来るか?

期日に出席しないとあなたが不在のまま調停は進行します。
婚姻費用もしくは養育費が勝手に設定され、支払いをしない場合には
裁判所の強制執行で銀行口座を差し押さえが行われる可能性があります。

絶対に無視はしないようにしましょう。

指定した期日に仕事などで出席が厳しい場合には
あとに説明する「進行に関する照会回答書(相手方用)」に理由を書いて提出しましょう。
ただし、欠席しても調停はあなた無しで進行していきます。

裁判所に書類の提出

裁判所の届いた書類の中に、以下の用紙が入っています。
これは、あなたが記述して裁判所に送り返さなければいけません。

  • 連絡先等の届出書
  • 進行に関する照会回答書(相手方用)

連絡先等の届出書

これは連絡先等を記入するだけです。

進行に関する照会回答書(相手方用)

これが一番重要な書類になります。



期日に仕事の都合などで出席出来ない場合には、ここに理由を書きましょう。
ただし、欠席しても調停は開催されます。
相手から一方的な意見で進行されてしまうので
仕事は都合をつけて出席しましょう。

申立書に反論や意見がある場合には2P目に記入します。
記述する欄が小さいので内容がまとまらない場合には
別紙を用意してそれを提出してもかまいません。
私は、以下のように別紙を用意して提出しました。



私が調停申立てをされた経緯
私の場合は、連れ去り後すぐに
「子の監護者指定及び子の引渡し」の裁判を起こしてました。
その際に、先方から催促されてはいませんでしたが
私の弁護士と金額を決めて婚姻費用を払っていました。

裁判所の印象を良くするのが目的でした。
ようするに、私は常識人であり相手が強引に連れ去りをしているという事実を
裁判所に理解して欲しかった思いもありました。

結局、裁判は理不尽な結果で終わり
それと共に子供への面会も出来なくなりました。
面会させてもらえないので、婚姻費用の支払いを止めました。
数ヶ月後に裁判所から今回の申立ての通知が来ました。

このように、相手からの申立てに対して反論がある場合には
別紙で書類を用意して提出しても問題ありません。

調停の進行について

調停は1回では、恐らく終わらないと思います。
2〜3回程度は開かれると思います。

調停では、裁判官ではなく
調停員という裁判所から選ばれた方と話し合いを行います。
恐らく2人の調停員になるかと思います。
私の時もそうでした。

相手方とは別々に面談を行います。
先に申立人が呼ばれて面談を行い
その後にあなたが呼ばれて調停員と面談します。
この時に相手方の主張を聞くことになります。

これを何度か繰り返します。
その日で合意が出来ない場合には、次回の調停日の予約して
終わりになります。

調停の内容については、また別に記事を書いていこうと思います。

調停員はどんな人
調停委員は、調停に一般市民の良識を反映させるため
社会生活上の豊富な知識経験や専門的な知識を持つ人や
地域社会に密着して幅広く活動してきた人など
社会の各分野から選ばれています。

私を担当した調停員は、60代ぐらいの男性と女性でした。
男性の方は会社経営をしていた方のようでした。
女性は元教諭といった方であり、話し方もとても丁寧で
こちらも話しがしやすかったです。

調停員があなたに対して抱く印象によっては
調停の状況も変わる可能性があります。
警戒せずに、自分の思いを正確に伝えることが大事です。
決して感情的にならずに話しをしましょう。

弁護士は必要か?

相手方は弁護士を付けている可能性はあります。
私の場合も妻は弁護士を付けていました。

婚姻費用、養育費は年収によって基準がありますので
交渉する余地は無いかもしれません。
何歳まで払うとか、大学進学時には費用の相談をするといった
条件が付加されるとかだと思います。

財産分与とか慰謝料とかの話しは
離婚調停の場合では、決める必要がありますが
婚姻費用調停では出てこないと思います。

面会条件などは交渉できると思いますが
連れ去りの原因がDV(虚偽ではなく)の場合などは難しいかもしれません。
そのような場合には、弁護士に相談しておいた方がいいかもしれません。

これらの交渉をあなた一人では交渉出来ないという場合には
弁護士に相談した方がいいかもしれません。

ただし、調停員が間に入って交渉をしますので
法定外の金額や無理難題を押しつけられることはないと思います。

不安に感じるのであれば、弁護士に相談した方がいいかもしれません。

金額の交渉は可能か?

基本的に相手が同意しない限りは金額の減額などの交渉は難しいようです。
ただし、条件次第かもしれません。

私の場合は、相手の移住した場所が350km以上離れた場所であり
面会するにも新幹線、宿泊施設を利用する必要がありました。

また、裁判期間中は、私の家に連れてくることもあり
送迎費用も含めると1回の面会で10万近くかかっていました。
このような経緯もありましたので
基準額よりも減額交渉して同意してもらいました。

妻が連れ去った土地は、実家があるわけでもなく
縁もゆかりもないところでした。

なぜ、その場所に行ったのか?
調停員が疑問に思い何度か確認したのですが
納得できるような回答もなく、調停員は少し不信感を抱いていました。

このようなことも理由の1つかもしれませんが
面会する度に高額な交通費負担がかかる問題を
調停員が理解してくれて
相手方に交渉してくれたことが大きかったと思います。

用意するもの

以下のものは用意しておいた方がいいかもしれません。

  • 給与を証明できるもの
  • 印鑑

婚姻費用、養育費を決める際に
あなたの収入証明が必要になるかもしれません。
給与額を証明できるものがあればそれを用意しておきましょう。
源泉徴収書があればコピーしておきましょう。

裁判所からの通知書の書類の中に
提出が必要な書類が記載されている場合には
それを用意してください。

この書類にチェックがされていたら
記載されている指示に従い提出してください。

調停での服装について

調停員には良い印象を与えた方がいいので
出来るだけ印象良く見える服装を選んでください。
男性であれば、スーツ、ジャケット
夏場であればシャツがいいかと思います。

用意出来ない場合には
清潔感ある服装であれば問題ないと思います。

当日について

当日は遅刻をしないようにしましょう。
裁判所は、他にもいくつかの調停や裁判が行われています。
開廷時間が重なっているのかはわかりませんが
非常に混み合います。

15分ぐらい前には待合室で待っているぐらいの
余裕を持っていきましょう。

待合室は、申立人、相手方で別れています。
申立人と待合室で遭遇することはないと思います。

東京の家庭裁判所は特にエレベーターが混んでおり
現地についても、待合室に到着するまでに10分近くかかることもあります。
また、入り口は荷物検査もありますので
そこでも時間がかかってしまいます。

まとめ

裁判所から通知が来たらすぐに内容を確認しましょう。
どんな理不尽な連れ去り方をされていたとしても
調停には出席してください。

婚姻費用、養育費を払えば面会の権利が与えられるかと
誤解される方も多いですが
婚姻費用、養育費は支払う事は義務であることに対して
面会は権利でしかありません。

子供が会いたくないと言っていると
証言されてしまうと面会も出来ない可能性は高いです。

この調停期間中に、調停員に面会交流調停の申立ての
相談をしてみてください。
子供に会いたい気持ちを素直に伝えていけば
的確なアドバイスをもらえるはずです。

出来るだけ、調停中は調停員に対して誠意を見せて
味方につけることが大事です。
頑張りましょう!